生理不順や排卵不順だと卵巣や子宮など、お腹に異常がないか心配する方も多いです。 しかし、こうした異常には「頭(脳)」が関係しているケースもあります。 排卵が起きるタイミングや女性ホルモンなど、排卵にまつわる情報をご紹介していきます。
排卵不順が起きる要因とは?
排卵不順が起こる要因とは何なのでしょうか。
排卵はランダムに起こる
女性には2つの卵巣があります。 そのため、「右と左で交互に排卵が起きる」と考えている方もいます。 しかし、排卵は左右の卵巣で規則的に起こるのではなく、毎月ランダムに発生します。 先月右の卵巣で排卵が起きたため、今月は左の卵巣で排卵が起こると考える方もいますが、先月と同様に右の卵巣で排卵が発生するケースもあります。 例えば、病気で卵巣が1つの女性もいるはずです。 その場合、残った1つの卵巣でも毎月排卵は発生するため、妊娠を望むことは可能です。
排卵不順の要因は「頭」
排卵が起きていない、生理不順などと聞くと、卵巣や子宮に問題があると心配する方も多いです。 実際に異常があるケースもありますが、頭(脳)が要因で排卵不順が起きているケースもあります。
女性は、脳の下垂体という部分から「LH」と呼ばれる黄体化ホルモンと、「FSH」と呼ばれる卵胞刺激ホルモンという大事なホルモンが出ています。 このホルモンが卵巣に指令を出し、卵の素を成熟させていく仕組みです。 順調にホルモンが働けば排卵が起きますが、2つのホルモンバランスが崩れてしまえば卵が成熟しないため排卵が発生しません。
そのため、精神が安定していないと頭から排卵の指令が出せないため、順調な生理になるためにはホルモンバランスの整えられる環境を手に入れることが重要となります。
排卵と生理で病気が発生?
現代で生きる女性の多くは毎月排卵と生理があります。 毎月きちんと排卵し、生理が来ているのであれば妊娠を望めるのでメリットが高いですが、子宮や卵巣の病気となるリスクが高まっている可能性もあるので注意が必要です。
妊娠出産などで生理などが一時的に来なくなる時期があれば、その影響から少し離れることができます。一昔前は、子供の数も10人前後でしたが、今は1人か2人なので、ずっと生理が毎月来ることになるため、月経困難症やPMS(月経前症候群)・子宮筋腫・子宮内膜症などの病気も非常に増えています。
また卵巣ですが、何年も休まず毎月のように排卵が起きているのであれば、毎月卵巣が刺激を受けることになるため、卵巣ガンのリスクを高める可能性があると考えられます。それは、一般的にガンは、刺激を受け続けることで発症する可能性があるからです。例えば、食道ガンや喉頭ガンはタバコの刺激が大きな影響を与え、皮膚ガンに関しては日光を浴びる刺激によってリスクが高まります。
女性ホルモンについて
次に女性ホルモンについて解説していきます。
女性の健康を維持するための素
女性ホルモンは、卵巣から出る「エストロゲン」や「プロゲステロン」という2種類のホルモンのことを言います。 広く捉えれば、前述したLHとFSH、そして乳汁分泌に関係する「プロラクチン」や「オキシトシン」も女性ホルモンの一種と呼ばれるケースもあります。
これらの女性ホルモンは、勝手に出てくるのではなくお互いが連携しあいながら量をコントロールして分泌されます。 仕組みとしては、脳から出るLHとFSHの指令によって卵巣からエストロゲンとプロゲステロンが出て排卵を促して生理を発生させます。 中でもエストロゲンは重要な存在となり、以下のような作用があります。
- 乳房や子宮の発達
- 骨密度の維持
- 自律神経のバランスを整える
- 血中のコレステロールを減らす
- 他のホルモン分泌の手助け
- 脳細胞の活性化
そのため、エストロゲンが正常に排出されることで、女性は艶やかで潤いのある体とタフなメンタルが維持できるようになります。
子どもをつくるサイクルを維持するためのもの
「生理がこないのはホルモンに異常があるから」「ホルモンがおかしいから体がおかしくなる」と考えている方もいますが、ホルモンが先におかしくなり、その後体を壊すことは考えられません。
ホルモンは、体のサイクルを維持するためのもので、その中でも女性ホルモンは排卵を促すため子どもをつくるためのものとなります。 体調が悪い、不摂生な生活をしている、過度なダイエットをしているなど、子づくりに適さない環境にいる時には、体を守るために子づくりのシステムを止めてしまうのです。 体が異常を感じ、ホルモンのバランスが崩れることで体の健康を優先する機能が働き、女性ホルモンの分泌が少なくなります。 その結果、排卵や生理が止まってしまうのです。
体に異常がなければホルモンバランスは崩れないので、健康的な生活を維持するのが女性ホルモンの分泌を正常化するために重要なポイントです。
女性ホルモンが正常に分泌されなければメンタル面にも影響を与え、鬱状態になるケースもあります。 排卵不順や生理不順も促すため、正常に分泌される環境づくりが大切です。 早めの対処が肝心なので、ホルモンバランスが崩れる前に専門家に相談してください。